Novel's Title


 なんだか今日は気分がいい。

 

だいぶ朝が苦手な俺も7時きっかりに目覚め、目をこすることもなく洗面所へ。

ぐいと背を伸ばしあ゙〜とあくびをひとつ。

 

なんだか今日は気分がいい。

今日は土曜日だが金曜日、ハルヒの気まぐれによって恒例の不思議探索は中止。

それゆえか午前中は何もすることがなく。午後も同じくだ。

それなのに気分がいいのはなぜだろう。

考えろ俺。こういうパターンはもうちょっとしたらそこらへんのアホが

 

ピンポーン・・・・

きたよ、まったく。

 

「キョン!あんた暇なんでしょ?さっさと出てきなさい。どーせ一日中家でゴロゴロしてるんでしょ?」

 

あ〜もう!わかったからそんな大声でわめくな。

・・・ま、そんなこといいつつ扉を開け招き入れてしまう俺がいるんだがな。

 

 

「んで、何のようだ」

「暇」

なんでお前はそんなにアバウトな発言しかできねーんだよ

 

 

このとき何を血迷ったか・・・

 

「ハルヒ、ちょっと来い」

「なによ」

そういいつつもテクテクとやってきて俺を見下ろす

 

そういえばなぜ俺がすんなりとハルヒを家に招きこんだか・・・ちゃんと理由はある。

簡単に言えば付き合ってる。ただそれだけなんだけどな。

数週間前

夏合宿のとき一生のまないと誓ったハルヒは

「なによそれ。そんなことあたしは一度も言ってないわよ」

・・ハルヒはコロンと忘れ酒を飲み始める。

今年も夏の合宿はあり、その合宿が終わり早1週間。

俺たちSOS団は俺が言い放った夏休みの宿題は31日にやるのが王道・・

これを完璧に無視し、合宿が終わるや否やすぐ宿題に取り掛かり全員で助け、助けられ(主に助けられる側で)がんばったおかげで3日たらずで終了。

その後1週間、各自に自由時間が与えられ、その次の日のこと。

打ち上げのことをすっかり忘れていたハルヒは俺を除く全員に連絡を回し、俺はまったく知らず。

古泉から連絡が回ってきたからいいものの俺が行かない、腹を立てて閉鎖空間。みたいな悪循環はごめんこむる。

 

そしてみんなで酒を飲み、合宿中であった面白かったことを振り返り、なぜかあった麻雀で遊んだ。

全員が2時ごろに酔いつぶれ、朝比奈さんは早くもダウン。古泉も酔っ払ったハルヒに強要され酒を飲んだがこいつは大してかわらん。

ぁ〜、そっからおぼえてねぇな。

・・・4時半ごろのこと。

 

「おきた?」

そういってまだほんのりと顔が赤いハルヒは俺を覗き込んでいる。

「んぁ・・・どうした?」

「ちょっと寝つきが悪いのよ、ちょっときてくれる?」

 

そういって外へ出た。近くにあったベンチにこしを下ろし、ふぅぅ・・・と一息。

正直頭がくらくらするというか。なんでも楽しいほうに持っていかれそうな感じだった。

 

「夏なのにやっぱり涼しいわね」

「そうだな」

 

「・・・あたしね」

そういって口を開いた。

「みんなといられてよかったと思ってるわ。もちろん、あんたも入れて」

俺はおまけか。

「正直中学とおんなじことを繰り返すだけかも・・って思ってたのよ」

中学のときはすごかったんだろうな。

「でもね、あんたのおかげで世界が180度変わったわ」

SOS団のおかげだろ?

「それもあるけどね。一番変えてくれたのはあんたよ」

そりゃあな、中学のときのことを知ってるやつからすれば俺は危険とわかっている爆弾に触れることだろう

ま、ごく小規模だったけどな、なんせ今じゃ少しだけだが外交を持つようになったしな。

 

「だからね・・」

そういって俺の首の後ろに手を回し

「感謝してるのよ、あんたにね」

そういって唇を重ねてきた。

俺もハルヒの体に手を回す。

こういうときこそ空気を読まねぇとな

 

時刻は6時、もう日が昇っておりまた暑い一日が始まろうとしている。


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