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 あ〜さむいな。

2月半ば、最も寒い月であるとともにあるものは就職、あるものは進学の一歩手前ってところだろう。

 

そんなこともいざ知らず、まだ高校2年の俺はこの寒い中、しかも雨が降ってるだぜ?まぁコンビニへ食い物を買った帰り道のことになる。

 

いよいよ雨もザーザーと激しく音を立てて降ってきやがった。

 

まぁ、傘を差してるのでぬれても腰から下。主に靴や足などがぬれるだろう。

 

こんな雨の中ドコからともなくいやな予感がして来た。なんだ、この感じは・・

 

 

 

ふるふると見た目でもわかるくらい震えてとぼとぼと青いオーラを放ち歩いている少女が一人。

 

涼宮ハルヒである。

 

でもなんで傘をさしてな・・・!!

 

「おいハルヒ!」

 

「・・・」

 

「聞いてるのか!?ずぶぬれじゃないか!ちょっと俺の家上がっていけ」

 

「・・・」

 

無視を貫き通すのか?と思いきや、うなずくくらいはするようですんなり家に上がりこんだ。

 

 

「とりあえず風呂でも入れ。心配するな、今日は両親がいないんだよ」

 

もちろん妹もだ、なにやら仕事帰りにどこかいくそうでそれに目がくらんだのかあほな妹はぼけぼけとついていったのだ。

 

ふと思ったが、あいつはなぜかさも指さずに出歩いていたのか。こんな時間帯になんで家にいないのか。

 

・・・考えてもしょうがないだろう。全部本人に聞けばいい。

 

 

 

家の中にて・・・

 

 

「どうやら訳ありのようだが、どうしたんだ?」

 

 

「・・・喧嘩」

 

「え?」

 

「親と喧嘩しただけよ、で悪いんだけどしばらく止めてくれない?」

 

コレはこいつなりに甘えているのか?そりゃあ前に甘えろとは、いったが・・・

 

「まぁ、なんだ。親もいないし明日あさってと休みだ、とまっていけ。妹の部屋を使えばいいから」

 

「なにいってんのよ。妹ちゃんの部屋を勝手に使うなんていいとでも思ってるわけ?・・あんたの部屋で寝るから」

 

「なにいってるんだ。別にいいからさ」

 

「反論は許さないわ。とりあえずお風呂貸してちょうだい。ずぶぬれだし」

 

そういうと浴室へ姿を消した。さてと、客用用の布団を・・ってねぇし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜さっぱりしたぁ!」

 

「・・・色っぽいな」

 

「バーカ、あんたなんかに気を許すとでも思ってるの?」

 

何のことだよ・・・

 

 

「ご満悦で何よりだ。で、だなお前用の布団がないんだが・・・」

 

「いらないわよ、だってキョンの布団で寝るから」

 

「俺は!?

 

「キョンはキョンのがあるでしょ?」

 

「いや、ということはお前は・・」

 

「あんたの布団で寝る」

 

 

 

 

 

現在シングルベッドに二人で寝ております。

まぁ幸いハルヒは身長159cmと大きくなく、ベッドの端っこまで寄ってもらえると、十分なスペースがあるわけだ・・・まぁ密着してることに変わりはないがな

 

 

「じゃおやすみキョン。」

 

 

頬を赤らめて言う台詞ではない。明らかに襲って、といってるようなものじゃないか。

 

・・・な〜んてバカなこといってないでさっさと寝てしまおう。

 

個一時間たっても寝られない・・・

 

 

こまったものです。なんていってる場合じゃねぇ。恥ずかしくて寝れんのに隣のお嬢さんはぐっすり・・・っト思ったら指なんかくわえてやがる。

 

 

親指ではなく人差し指だが見ていて可愛い・・・じゃなくて!注目すべきは口元ではなく目であった。

 

大粒の涙がポロポロと流れては笑顔になり、またポロポロと・・どんな夢か見てみた息もするが寝てるときまで泣いてしまうような夢は正直見たいくねぇな。

 

・・なんだか落ち着いた。俺もさっさと寝よう。明日の探索に備えてな。

 

 

 

 

 

 

次の日・・・

 

 

すがすがしいほどの日光と寝返りパンチで起きた時刻は朝の6時半。

 

せっかく目が覚めたんだからやることをさっさと終わらせよう。

 

 

「はぁはぁ・・・」

 

規則正しい寝息とは違い、荒々しい息をしている。

ハルヒの顔は真っ赤だ。おそるおそる手を当ててみる・・・。

確定。熱を出してる。

 

そりゃそうか。なんたって冬空の中、ずぶぬれになりながらあるいてたんだもんな・・・そんなことを言ってる場合ではない!落ち着け俺。今日は病院はここからかなり遠い。・・・そうだ、薬でも飲ませよう。

 

とりあえずポカリでも買っておこう。水分補給は大事だしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ポカリ購入・・さて変えるか・・・ん?

 

コレは・・・よし、買って帰るか。

妙にさびしくなった財布とともに帰宅。そういえば今月のはまだもらってねぇんだよな。

 

 

 

 

「あんた、、、あたしに何も言わずどこに・・・コホッ・・コホッ、どこいってたのよ」

 

 

「コンビニだ。ほれポカリだ。のんどけ」

 

「あたしが言いたいのはそんなことじゃないのよ!・・・!!コホッ、コホッ」

 

「ほら言わんこっちゃない。大人しく寝てろ」

 

まったく。熱出してうんうんうなってる奴が玄関まで下りてまってるアホがいるかよ・・・まったく。

 

まぁまっててくれたのはかなり嬉しかったが・・・病人は大人しく寝てろ

 

「ひゃぁ!」

妙に軽いハルヒであった。簡単にヒョイと持ち上げ階段を上がっていく

 

 

「病人は大人しくもんだぜ?」

 

「あ、ああ、あんた!さっきも今もなにして・・・!!コホッコホ・・・」

 

「だまって寝ろ」

 

ふぅ。さて・・・このまま寝かせるには・・・

 

 

「とりあえず薬とってくるからコレでも飲んどけ」

 

「あ、薬なんていらないから・・・その、隣にいてほしいって言うか・・・」

 

「ん?」

 

「いいから!団長命令よ、ほらそこに座っ・・・ごほっ」

 

「わかった、わかったから!もう寝ろ。じゃないともっとひどくなるから」

 

「いや!寝たらキョンがドコかにいっちゃうから嫌!」

 

「ずっと隣にいるから、な?」

 

「頭、撫でてて」

 

「はぁ?」

 

「撫でてくれたら寝るから!早く」

 

「しゃあねぇな・・・ほら」

 

 

 

触れたときはビクッ!!っと大げさなほど震わせていたがだんだん落ち着いてきたのか、いつの間にかすぅ・・・と寝息と立てて眠っていた。

 

ハルヒは言ったとおりドコか行くのを予想していたんだろう。手を首の後ろに回していた。

残念だな、肩は冷やすと体によくないんでな。

 

 

「さて・・・飯でも作るか」

 

もう起きてから5時間はたっている。昼の2時過ぎで腹ペコだぜ

 

 

 

 

 

その日ハルヒは起きなかった。

体内の白血球は外見に合わず普通で病原菌を追い出すのに苦労しているんだろう。

あいにくハルヒくらいの着替えは持っていないのでお袋のパジャマなどを借りてそっとハルヒの頭の隣において・・・今日は地べただな。つめてぇよ

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・朝か」

朝日がカーテンの合間を縫って俺の目へ差し込む。あぁ、まぶしいぜ

 

 

ハルヒは・・まだ寝てるな。さて・・・歯でも洗ってくるか。

 

ちなみに・・・なんと言うかだな。ハルヒは女の子であって、お風呂に入らなければならん。

でも熱出してて風呂に入っちゃいけないから・・・まぁ湯につけたタオルで拭いといたから・・・まぁ気にしないだろう。  ああ!するんじゃなかった!    その、なんだ。いいもんも見えたり見えなかったり立ったしな。

 

 

 

 

 

「さっさと歯を洗ってこよう・・」

 

そうつぶやいた瞬間

 

 

「あとね・・・あたしのそばにずっといてくれるって言ったわよね?」

 

なにか嫌な予感が・・・

 

「さっきドコか行こうとしたわよね?どういうことかしら?」

 

「歯を洗いに行くだけだ」

 

 

 

「ちょ、待ちなさい!」

 

「ハルヒ!?

 

「それとさっきの話。どういうことよ」

 

さっきの・・・!?。まさか、モノローグのはずが。

 

「ま、まさか、ぁあたしを・・脱がした、ってこと・・・!?

 

「いや、お前、女の子だし。いつもいもうちにはそうしてるからつい・・・すまん!」

 

「あんたってなんでそんなにデリカシーってもんが無いのよ!・・まぁいいわ過ぎたことは仕方ないし、それ相応の罰を考えておくから」

 

「ひぃ、勘弁」

 

この調子だと熱はすっかり下がったみたいだな。なによりだな。

 

 

とりあえず安静状態で今日一日過ごしてもらうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キョン、どっか行きたい」

 

 

さてさて。時刻は現在4時半。それまで俺はずっとお前の手を握っておきてたんだぞ?

 

お前は疲れたのかどうか知らんが知らんうちに寝てたしな。

 

 

 

「キョン暇!ここテレビも無いじゃない!」

 

「じゃあ妹に呼んでやってる絵本でも読んでやるよ」

 

「わ〜い・・ってあたしは幼稚園児か!」

 

 

 

 

 

 

こんなアホらしい会話を数分しているうちに・・・俺が呼んだお客さんが来たようだ

 

 

「ちょっとまってな」

 

「はやくね」

 

 

 

 

玄関に待ち構えていた人物。

 

ハルヒに激似で大人しそうな女性・・・ハルヒ母の登場だ

 

 

「どうも、はじめまして。ハルヒはいまこっちで休ませてあるので。自分は下で待ってるのでお話してきてください」

 

 

「うちのハルヒが・・・すみませんね。失礼します」

 

 

そういうと俺はリビングへ。ハルヒ母は2階へと上がっていった。

 

 

 

 

 

 

数分後・・・

 

 

トントントン・・・

 

ハルヒ母は2階から降りてきて・・

 

 

「少しお話してもいいですか?」

 

「えぇ、かまいませんよ」

 

 

とりあえず座ってもらった。立ち話もあれだしな。

 

 

「で、どういったご用件で?」

 

 

「とりあえず・・・ありがとうございます」

 

「へ?」

我ながら素っ頓狂な声を上げてしまった。なぜありがとう?

 

 

「いえね、あの子の性格があんなのだから中学生生活では友達もできず学校は毎日行ってたんですけどね。いつの間にか帰ってきたら部屋に引きこもっちゃって笑顔もあんまり見せてくれなくなってしまったんですよ。・・・でも高校生活になってからはよく笑顔を見るようになりました。・・・・・・あなたがしてくれたんですよ?」

 

「はぁ」

 

「あの子が自分から話すなんて中学では一度も無かったんですが、いまでは

『まったくあのアホキョンがへんなことするから』とか『今日はキョンとね』ミタイナ話を毎日してくれるんですよ?正直喧嘩したときはびっくりしました。3年間まったくと言って良いほど喋らず。それから1ヶ月くらいして急に喋るようになってたんですもの。あなたには感謝しています。

どうか、ハルヒをお願いしますね」

 

「はい。わかりました」

 

「では私はコレで失礼しますね」

 

 

そういうとハルヒ母は去っていった。

 

ハルヒにそんな過去がね・・谷口から少々のことは聞いていたがな

 

 

さて、ハルヒのところにもどるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋にもどるとハルヒは嗚咽を漏らし泣いていた。

 

 

 

俺は悟ったようにハルヒに近づいてギュっと抱きしめる。

 

 

 

「どうだ、すこしは落ち着いたか?」

 

 

「ぅ・・・うくっ・・・」

 

頭を撫でてやる。そしたら少しずつ振るえがとまって

 

 

 

「あ、あんたなんかに慰め、られるなんてぐすっ・・・あだ、あたしは団長失格ね・・」

 

 

「今は普通の女の子だろ?この前にも言ったが甘えてくれても良いんだぜ?」

 

「じゃ・・・じゃぁ・・・」ちゅっ

 

 

「ん・・・な、お前・・」

 

 

「お礼!いまだけ女の子なんだからね!もっと抱きしめてよ!さびしいじゃない!」

 

 

「くくっ・・・はいはい」

 

 

今だけね。明日にはどうなっているのやら・・・

 

 

 

その後も何回かキスした後ハルヒは外でずっと待ってたと思われるハルヒ母と車に迎えられ帰宅。

そのご一通のメールが届いた。

 

 

 

Fromハルヒ Toキョン

 

あたし、借りは返す主義なの

あした覚えときなさい。

 

 

 

 

 

へいへい・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日・・・今日もすがすがしい朝だな。昨日はいろいろあったからな。

まぁいつものごとく遅刻ギリギリで投稿したハルヒは一日中不機嫌そうな顔で放課後まで過ごしていた。

途中そわそわした動きもしたが、一瞬俺をにらみつけるとふっと笑顔になりそのままどっかにきえた

 

 

 

「さ、今日もミーティング始めるわよ!」

 

 

いつもどおりだ。

朝比奈さんがお茶を淹れ、俺と古泉はボードゲームをし、長門は隅っこで本を読んでいる。

そしてハルヒは声高らかに叫びながら。

 

 

いつもの日常だな。うん。これがしっくりくる。

 

 

 

不意に唇にやわらかいものが当たる。・・・ん?

 

 

 

「お前・・何をした?」

 

 

 

 

 

「さっきのキスとこの腕章、お礼だから!ありがたく受け取りなさい!」

 

 

・・・腕章ね。ハルヒらしいな・・・あたしの旦那・・・ね


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