喧嘩とは恐ろしいもので、相手や自分の性格によっちゃ最悪の事態を招きかねん。
まぁ今回はそんな話だ。
「あぁもう、うんざりだ!こんな団はこっちから辞めてやるよ!」
「あっそ!好きにすればいいじゃない!金輪際あんたとはお別れよ!」
コレは後になって気がついたんだが、あそこで俺が誤っておけばこんなことにはならなかったんだろうなぁ。
その口げんか以来一言も話していない。そんな日々が2週間続いたよ。
最後は俺の根負けだけどな。やれやれ。
喧嘩してから5日後・・・
「あのね、キョン。あんなことで怒るなんてあんたどうかしてるわよ?さっさと誤りなさい」
「けっ、悪いのはそっちだろーが。お前とはもうしゃべらん!」
そのとき話しかけられた瞬間県下のときのことを思い出していた。
完全に頭に血が上ってたよ机を思いっきり叩いた。それはもう教室が鎮まるくらい大きな音でな。
「ふ、、ふん!もういいわ!勝手にすれば?退団手続きは整ったわ。じゃあねキョン!」
その次の次の日。
最近暇で仕方がない。
なんせ放課後はSOS団に通いっきりだったからな。暇なのはあたりまえか。
退団がどうのこうのって言った日からハル・・・いや、涼宮は学校に来ていない。
どうせ、自棄食いでもして、腹こわしたんだろう。ハッ、せいせいするぜ。・・はぁ・・・
土日を挟んで・・・もちろんその間にある不思議探索も出席せず・・・って俺は団員じゃないんだったな。まぁ谷口、国木田と遊びまくってやったさ。もちろん涼宮のことは聞かれたがそのことに関してはノーコメを突き通し、一週間のうち一番学校に行きたくない日。月曜日がやってきた。
「今日も涼宮はやすみ・・・っと。原因はわからないそうだ。ま、学校にきたら声かけてやってくれ」
だれも声なんかかけねぇにきまってるじゃねぇか。あの涼宮だぞ。学校で全学年に知れ渡り、谷口によるとどんなことがあっても学校には・・・学校には・・がっ・・・
くっ、なんでアイツのことなんか心配しなきゃならないんだよ!
そうだ、俺はもう関係ないんだ。ハハッ。いちいち珍事件に巻き込まれる心配も涼宮に引っ張りまわされてズタボロになる心配もないんだよ!
こんな事いってる俺でもよ。
さすがに心配になってくるもんだぜ?
俺は今携帯を片手に教室を飛び出し、
無意識にハルヒの電話番号にかけた
「お前!いまドコだ!」
「あ、キョン?あは♪いまあんた、見えてるよ歩道橋の上、もうちょっとでトラックが来そうなの。じゃましないでね」
お前・・・まさか・・!!!
「ハルヒー!!!」
歩道橋!歩道橋はドコだ!
そう思った瞬間俺はもう歩道橋の上。自分でも何をしたかわからないくらいの速さで上ったんだろう。
「あれ?あんたが来るはずないのに・・なんで?」
「なんで、そんなところに座ってるんだ・・・!」
「なんでって今日で世界ともお別れ。不思議は見つからなかったけど、地獄に持って行く土産話が出来て良かったわ。じゃ」
「待て!!」
そういうと終えはハルヒに飛びついた。
「いいのよ、もう!死なせてよ!あたしなんて生きてる価値なんてない!」
「バカヤロウ!!!」
パチンッ!
力強くハルヒの頬をひっぱたく。
「お前!いったい何を考えてるんだ!生きてる価値なんてないだと?ふざけるな!俺がこんなに心配してるのに価値なかったら俺はどうなるんだよ!」
「なんのことよ!あんたなんかSOS団の団員ですらない・・・タダの他人じゃない!」
「お前・・その言葉取り消せ!お前の命はお前だけのものとでも思ってるのか?」
「あたりまえじゃない!」
「あたりまえじゃねぇ!バカハルヒ!」
「ふぇ?」
「いいか?お前の親だって、少なからず岡部だってお前がクラスになじめるように努力してるはずだ!なによりお前が死んだらSOS団はどうするんだよ!」
「バッカじゃないの!?そんなのあたしが死んだらその後の事なんかあんたたちで決めればいいじゃない」
「それが大間違いなんだよ!」
「はぁ?独鈷も間違ってないじゃない!」
なんでコイツはこんなにひねくれてるんだよ・・・
「俺たちで決めろだと?ふざけるな!お前がいてこそSOS団がなりたつんじゃねえか!一人でも欠けたらSOS団じゃねぇ!大体俺が・・・
「ちょ、ちょっと、キョン?」
・・・なんでそんな簡単に死ぬとかいえるんだよ・・・お前はそんなに軽い奴なのか?
怒りの感情が悲しい感情に変わってゆく。
何にも考えずにただハルヒを抱きしめ俺は泣いた。
「えぁ、・・や、、え・・・ぁ・・・」
「俺は・・・俺は!うっ・・・こんなに心配して・・だからさ」
「うぇぁ・・う、キョ・・・ぐすっ・・」
「たのむから・・・吐き出せなくなった感情くらいは俺に話してほしいんだよ。お前にだってプライドがあるかもしれない。けどさ、少しくらいは甘えてほしいんだよ。好きな人のために尽くしたいのは誰でも同じなんだからさ」
「ごめ、、ごめんね・・ごめんね、ごめん・・・」
「もういいから、ないていいからさこれから溜め込むなんてことしないでくれよ」
ハルヒはその場で泣き出した。歩道橋ということも忘れて俺の腕の中でスンスンとすすり泣き、度々こらえてた感情を爆発させるごとく大きな声で鳴いた。
その場にへたり込んだ。しんどい。でもそれ以上に悲しい。ハルヒがこんなに病むまでわかってあげられなかったという事に対してだ。
プァン、プァンとクラクションが鳴り響く中、なき続けるハルヒを抱いていた。
後日談になる・・・
「みんな元気〜?SOS団団長こと涼宮ハルヒ様の復活よ!」
声高らかに張り上げ何日ぶりになるだろうSOS団に出席した俺とハルヒ。
古泉たちはわかってるような雰囲気で
「「「おかえり」」」
やれやれ。こんなことになるなら喧嘩なんかしなきゃよかったぜ。
今更言っても事実は事実だし、それもあって俺とハルヒをつなぐ絆も深まった。かなりだ
ま、今度からは気をつけるさとりあえず皆に一言言っておかないとな。
「「ただいま」」
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