Novel's Title


 「暇よ、キョン」

俺だって暇だ。・・・何にもすることねぇ

 

 

 

 

時は8月、初旬。

SOS団の第2弾のイベントに首を突っ込み、俺は俺で楽しんでいると勝手に理解した両親は妹を連れ海外へと高飛び。

 

内のそんな余裕あったのか?と突っ込みたくなるがそこはあえて抑えておこう。

 

そんな日の次の日、イベントも終わりその次の日に

「キョン、暇」

というメールをよこしその1時間後には

「ちょっといるんでしょ!?あけなさい!」

なんていう声を聞いた日にはうんざりしてしまうね。

俺も暇で暇で仕方なかったのは確かだがどこでどう間違えたかは知らないが家に入れてしまったのだ。

なさけない、嗚呼情けない。

 

 

 

 

「なによ!来ても暇ってどういうこと!?」

「しるか、俺はジュース買いにいってくるからな」

「あたしオレンジ系統なら何でもいいわ。できればファンタで」

「あほか、自分で買え」

「けちっ!いいじゃんかってくれても」

じゃ、俺は行くからな

鈍感キョン・・・」

なんかいったようだが俺は気にせず外へ繰り出した。

だいた押しかけておいてそれはないだろうと思いつつ

「俺は何で素直になれないんだろうな・・・」

なんてぼやきながら行きつけのコンビニで自分用の飲み物とハルヒが希望していた飲み物を入れた袋を片手に

「ほれ、買ってきてやったぞ・・・いや、これでよかったのか?」

なんてセリフを考えつつ帰宅していた。

 

 

帰宅、部屋に入ると俺のベッドでスースーと寝息を立て眠りこけているハルヒがいる。

「なにねてんだよ・・・せっかく買ってきてやったのによ」

残念だ・・と思いつつこれのほうがいいかも知れんな・・なんて思いつつ俺もベッドの近くへ座りこんだ。

「黙っていればかわいいやつ・・か」

まだこいつとであって間もないころの俺の感想だが・・いまはそうとは思えない。

『いくわよ!みんな!』『ほらっ、怪談なんか3段飛ばしで!』

・・・こんなことあったよな。はは・・・俺は何でこう素直になれないんだ・・・

・・・・・・・・・・・・・今なら・・・素直に慣れるかもな。寝てる春日に顔を近づけ唇を重ね―――

「だーめ」

うぉっ、・・・・おきてたのか

人差し指でおさえられた俺の唇。その押さえた手を自分の唇につけ・・・

「あたし、キョンがそんな男とは思ってなかったわ、素直になりなさいよ」

「そういうお前だって・・素直になったらどうだ?」

「素直じゃないわね〜・・はぁ」

そう一拍おくと

「好きなんだからね!」

 

 

・・俺は・・・素直じゃないな。

 

「ふぇ!?ちょ、ちょっとキョン!?」

心の中じゃ何回も言ってる言葉が・・・素直に出てこないんだよ。

「い、いきなり抱きつかないで!あたしにも心の準備があるんだから」

すまんな、今俺の心はお前でいっぱいだ・・・なんて口に出せないけどな

 

 

「俺はな、素直になれないんだよ」

そういって唇を重ねる。

はは・・・少しは素直になったつもりだが・・・素直じゃないか?


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