Novel's Title


 去ることも久しからず、今は黄金週間・・・つまりゴールデンウィークだな

北高の2年生となり、高校生活2回目のゴールデンウィークは多分SOS団の連中と過ごすことになるだろう・・・が、厄介なことになった。

最近、ハルヒの様子がおかしい、古泉に聞いても「どういうことでしょうか、上のお偉い方も恐慌状態ですよ」等と、機関の方もパニックらしい。ということで長門の出番・・・なのだが・・

 

「これはいえない、あなたの問題でもあり、涼宮ハルヒの問題でもある。よって私からは何も言うことができない。あなたを信じている。私はこのゴールデンウィークと呼ばれる1週間のうちの休みが終わる日の235959秒に世界は大きく改変されると予想している。それまでに涼宮ハルヒを助けてあげてほしい。がんばって」

 

といわれ、なにをすればいいのかさっぱりだ。

 

まぁ、世界が改変されるクライのストレスなら、どうしようもないだろう。せめてSOS団でしてあげなくては、と思った。が長門は親玉と更新中で、何かバージョンアップとかいってたような気がする。

 

古泉も 「僕もあなた方と一緒にいたいのは山々ですが、何しろ極小規模の閉鎖空間が15分おきに発生しています。なので観察がおろそかになってしまうのですよ。なのであなたに少しだけでいいのでお願いしておきます。これは機関からではなく僕の本心です。なにしろあなたのことが気になっていたようですから」

 

と、最後、気になることを言われたが・・まぁ軽く覚えておくとするか

 

ちなみに朝比奈さんに至っては

「すみません風邪引いて寝込んじゃいました><多分ゴールデンウィークはキョン君達に会うのは無理だと思います。ごめんなさい。あとひとつ伝言なんですが、彼女は<不安や孤独、拒絶に普通の人より数段弱いです。これだけしかいえなくて・・・あとは禁則事項です。じゃあね」

 

というメールをいただいた。・・・彼女ってやはりハルヒのことだろう。

 

どういうことだろう、長門はともかく皆焦っているように見える。

てなわけで、今はゴールデンウィーク初日の休み。今年も故郷へ帰るはずだったが、親に頼んで俺一人で家で留守番。ハルヒのことも気になるからな。

 

ただいまの時刻A.M.1135・・・何にもすることねぇ・・が、出された課題もする気になれないという微妙な気持ちになっている矢先

RRRRRR・・・・RRRRRPi!

「もしも

 

『キョン、あんただけは大丈夫よね?』

 

「んぁ?どういうことだ?」

 

『みんな、無理だって言うのよ。んで彼なら何とか・・っていって切っちゃうの。みくるちゃんに至っては風邪で寝込んでるって言うじゃない』

 

「あぁそうだな。さっき朝比奈さんからメールがあったぞ」

 

『で、このゴールデンウィークだけは見逃せないと思ってね・・じゃなくて!暇だからどっかに来ましょうって話!』

 

「それはデートの誘いか?」

 

『あんたの低脳にはそう聞こえるかもしれないわね。とにかく不思議探索だから!いつもの喫茶店に1時に集合!遅れたら罰金よ!お〜ば〜

 

なんだコイツ・・・様子がおかしいと思ってはいたが・・・心変わりが・・ん?

 

RRRRR・・・RRRRR・・・Pi!

 

「なんだ、古泉か」

 

「なんだじゃありませんよ!なにをしたんですか。急に閉鎖空間が・・・すみません。そろそろ行かなくては」

 

Pu!

 

「切れやがった・・なんなんだ今日は」

 

決定、今日も厄日だ。というわけでハルヒを待たせるわけには行かず。12時に出発して1230分についたときにはもうハルヒがいた・・お前いったいどんだけはやくでてるんだよ。

 

「遅い!罰金!」

 

「アホか、約束のまだ30分前だぞ」

 

「最後に着たからでしょ」

 

「やれやれ」

 

「やれやれってなんなのよ!」

 

どうも不機嫌とは思えない・・・なんで皆焦ってたんだろうか。

 

「で?今日はどこを回るんだ?」

 

「と、とりあえずこれ飲み終わったら公園に行きましょ、そこで話すわ」

 

「じゃ、さっさと行くぞ」

 

「ちょっとまちなさいよ!あたしまだのこってるんだから!」

 

「へいへい・・」

 

 

時は過ぎて2時。長門の家の前の変わり者のメッカの公園にたどり着いたんだが・・・

 

「で、キョンはゴールデンウィーク、なにしたい?」

 

「そうだな・・お袋達は里帰りしたし・・・俺は行かなかったけどな、まぁ暇だ。何にもしたくない」

 

「そうねぇ・・ならキョンの家で遊びましょ、ゲームかなんかあるんでしょ?」

 

「一応な」

 

「じゃあ決まりね!」

 

「はぁ・・・やれやれ」

 

今回は断ることはできんだろう。大体家に来てもハルヒに見られてはいけないようなものは一個もないんだからな。あるとしても見つかるはずがない

 

 

「へぇ、あんたの部屋結構片付いてるじゃない。エロ本でも探そうかしら」

 

「いらん事はするな」

 

 

 

こんな感じでその日一日が終了した。まぁ帰り際に

 

「ウソ!冗談でしょ?あぁもぅ!」

 

なんて電話で話していたのだが・・・どうせ親になにかしたんだろう。

 

俺もおなかが空く頃合だ。そろそろなにか作るかな・・ん?

 

VuVu-・・・

 

メール着信か・・なになに?

 

「あんた今日家族が里帰りしたっていってたわよね?いつ頃帰ってくるの?」

 

・・・なんだこれ

 

まぁいいか

 

「しらん、がいつものパターンだとゴールデンウィーク終了後くらいだろうな」

 

・・・送信っと・・・じゃあ何か作るかな。とりあえず今日は残り物を・・・ってねぇし!

 

Vu-Vu-・・・

 

また、か。どれどれ・・・

 

「奇遇ねあたしもなの。今からあたしの家に来なさい。できるだけ早くよ?」

 

・・・またしてもなんだが、何だこれ?

 

う〜ん・・あの電話は多分親がどっかいった電話だったのだろう・・・さびしいなら言えばいいのにな。かわいい奴だ・・・っとなにを言ってるんだ俺は

 

「あぁ、わかったすぐ行くからまってろ」

 

・・・そういえば俺はアイツの家をしらないじゃないか・・・

 

「お前の家を俺は知らん。だからこい」

 

送信・・まぁ教えるから来いっていうだろうな

 

Vu-Vu-・・・

 

「そっちに行くから!」

 

へいへい、わかりましたよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は午後8時、さっき電話したのが7時半だからあと20分はかかる ピーンポーン・・

 

早っ、なんでやねん。まあいいか

 

「今行く」

 

ガチャリ・・・と玄関開けたハルヒは暗く沈んでいた。だから電話しなかったのか・・・

 

「おいおいどうしたハルヒ、なんかあったのか?」

 

「親がどっかいっちゃってね」

 

「で、どうしたんだ?まぁ立ち話もなんだ入れよ」

 

はぁ・・・とため息をつくハルヒ・・・雪でも降るんじゃないか?

 

とりあえず部屋に招き入れて

 

「今日、とまっていい?」

 

なんていいだすからビックリした。

 

「お前、男と一つ屋根のした一緒にすごす意味は分かってるのか?」

 

「キョンはなにもしないから・・・」

 

「それでもだ!・・・まぁいいか」

 

孤独にしないで・・だったか?朝比奈さん

 

「あ、ありが・・と・」

 

「ほら、顔でも洗って来い、風呂入れておくから」

 

「う、うん・・・」

 

 

 

 

 

とりあえず・・・あのハルヒがあれほど沈んだ表情をするとは・・正直ビックリだ

さて・・・って食べもんなかったんだった。しかたねぇ・・・料理もできない俺は、コンビニ弁当でも・・・ってハルヒ、台所でなにを・・・ってなんか一品できちゃってるし。

 

「作ってくれたのか?」

 

「そうよ、お世話になりっぱなしは性に合わないしね」

 

「すまん、じゃあ頼んだぞ」

 

コイツの腕前は鍋パーティーでしってのとおり、かなり腕が立つ。期待してもいいだろう

さて、入れた湯はどうなったかな?

 

「ハルヒ〜俺先に風呂に入っておくからな〜」

 

「あ、あたしも一緒に入るから〜」

 

「ば、バカいってんじゃねぇ!・・・しまっ」

 

「ま、・まぁ、じょ、冗談だけどね・・・」

 

「すまん、言い過ぎた」

 

「いいのよ!大体冗談言ったあたしが悪いし」

 

「じゃ、じゃあ先はいるわ」

 

「そうして頂戴」

 

 

 

 

 

 

さて、今後ハルヒはどうするつもりだろう。俺の予想からするとゴールデンウィーク明けまで居座るつもりだと思う。親がいないってわめいてたしな

 

というわけでとまるのは確実・・・寝床はどうしようか・・さっき、風呂に一緒に入るとk多分本気だったな。ということはベッドにもぐりこんでくるという可能性も・・妄想退散。いまは風呂を楽しもう。

 

 

 

 

 

ハルヒも風呂に入り終わり、できた飯もくって、あとは寝るだけ。

 

「妹の部屋を使ってくれ」

 

「うん、あ、でも・・うーん分かったわ。おやすみ」

 

「あぁ、おやすみ」

 

そして今日一日が終了した・・・長かったぜ。

 

なんせハルヒが来たんだからな、あれでも一応女の子・・・おっと殺される・・・

 

ゴールデンウィークもあと3日・・・あと3日もハルヒをとめねばならんとは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、次の日の朝のことだ。

 

「キョン〜あんた朝はパン派?ご飯派?」

 

「いらん!」

 

「じゃあご飯でいいわよね?」

 

「勝手にしてくれ・・」

 

昨日のハルヒとぜんぜん違うじゃないか。心の浮き沈みが激しいなら回復速度も激しい・・・昨日のハルヒはいったいどこへ行ったんだろうね。

 

「早く来ないと全部シャミセンのになっちゃうわよ〜」

 

「わかった、今行くから」

 

おきたばっかりで覚醒もしていない・・目もろくに開いてなければ、昨日のごたごたで足がふらふらだ。

 

だ・・が、やはりこっちのハルヒのほうがしっくりくるな・・・何を言ってるんだ?俺は・・・

 

朝の日課、歯を磨き顔を洗い髪の毛を整えて・・・

 

「おはよう、ハルヒ」

 

「おはよ、そこにできてるから」

 

「これまた豪華だな・・今日はなんかいいことでもあったのか?」

 

「なんにもないわよ!早く食べないと冷めちゃうわ」

 

こんな会話をしていると、夫婦みたいだな・・・

 

「ダメッ!!!」

 

「ん?」

 

「あ、いや、キョンは関係ないから・・・はは、何にもないの・・・」

・・・・・?

 

さっき何か悪いことでも言ったのか?

 

という疑問を残しつつこの心のわだかまりは何だろう・・・という気もどこかへいったようで・・・

 

「さて・・・飯も食い終わったが・・・なにかしたいことでもあるか?」

 

「ん〜、特にないわね。散歩でもしましょうか」

 

やることないしな。それが一番いいだろう。

 

まぁその日、散歩に出たのはいいが

 

「キョンあれ見て!」とか「こっちで何か光った!いくわよ!」

 

などなど・・・とにかく疲れた日だった。

 

帰ってからも

 

「あはは!なにあれ!おっかし〜!」

 

などとテレビ番組で大笑い。普通の人から見て、ハルヒは楽しそうに見えるだろう。

 

しかし、俺にとってその笑顔はとってつけたような顔だった・・・何が不安なんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

次の日。雨が降り気分は憂鬱。何にもする気が起きず。それでも何かしないと閉鎖空間が・・・

 

これは・・・究極の選択?   んなバカな。

 

「雨ね・・・」

 

「雨だな・・・」

 

「晴れないかしら・・・」

 

「晴れたらどっか行くのか?」

 

「ううん、別に」

 

「そうか、なら部屋でできることをしよう」

 

 

 

部屋の中でできるといったら・・・まぁテレビ見て笑うことだろう・・・あ、DVDあったんだっけ?

お袋がなんか借りてきたはずだ・・・それでもみるか。

 

 

 

 

 

 

 

そんな時間も過ぎ去り夕方になるとさっきまで終始笑顔だったハルヒはこの家に来るときくらいに沈

んでいた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン・・・

 

「んぁ、もう朝か・・・どけシャミセン、どうせハルヒが・・・ってハルヒ!?」

 

「う〜ん、なによキョン。昨日あんたの家に泊まったでしょ?そんなことも・・・」

 

「そういうことじゃなくてだな、なんでお前がここにいる」

 

「いや、さびし・・じゃなくてなんとなくよ!」

 

「じゃあさっさと、俺に巻いてる腕を何とかしてくれ」

 

「いや!キョン手を離したらどっかいっちゃうもん」

 

「なんでそうなる!」

 

「夢でキョンがバイバイって言って古泉君たちといっちゃうんだもん、そのときどれだけ早く走っても、歩いてるキョン達に追いつけなかった・・だから逃げられないように捕まえておくの」

 

「なんのはなしだよ、とにかく!夢と現実は違うから。離してくれ、顔洗うだけだから、な?」

 

「できるだけ早くもどってくるのよ」

 

「へいへい」

 

階段を下りて、ふと思う。ハルヒはこんな奴だっただろうか。でもそんなことはどうでもいい

とりあえず早くもどらなくては

 

5分で済ませて、再び部屋にもどるとハルヒが寝ていた・・・なにがしたいんだよコイツ

 

「おいハルヒ、おきろ」

 

「とりゃ!」

 

「ぉわ!」

 

バフッ・・・

 

「ちょ、よせって」

 

「だめよ、もう離さないから」

 

「今日一日中部屋から出ないつもりか」

 

「そうよ?悪い?」

 

「じゃあこれでもくらえ!」

 

と後ろから抱き着いてお腹をさすってみた

 

「どうせ朝にしてないんだろ?いつまで我慢できるかな」

 

「ひゃっ、ちょ、ちょっとやめて・・」

 

「ほれほれ、早く行かないともらすぞ」

 

「くぅ・・・だめだって・・・わかったわよ!」

 

「よろしい、さっさと行って来い」

 

とりあえず振り切った俺は

 

「古泉か、ハルヒの様子がまったく違う。どういうことだ?」

 

『違うとは?』

 

「最近ツンデレってはやってるだろう?あれっぽくなってるんだが」

 

『ということはいまはデレの状態ですか?おかしいですね・・・閉鎖空間も2時間おきになりとりあえずは一安心になったんですが・・・っと、また閉鎖空間です。では』

 

「おい、ちょっとま・・切れた・・・」

 

どうしろってんだよ・・・

 

とりあえず退屈させてはならない。そう思って帰ってきたハルヒに

 

「なぁ、ハルヒ。映画でも見に行くか?」

 

と誘うと

 

「あんたにしては気が利くじゃない」

 

といわれ、いまは映画館の中、人は満員に近い・・なんせゴールデンウィークに人気な恋愛映画だからな。

 

ストーリーは簡単に言うと、付き合ってほしいといわれた女性が、ごめんなさいと振った後、やっぱ

り女性の方もうれしくて、ついあんなことを言ってしまい・・・と和解しハッピーエンド・・こういうものだった

 

 

「久しぶりに映画なんかで涙腺緩んじゃったわ」

 

「そうかい」

 

ちなみに緩んだじゃなくて、緩みすぎで漏れてたからな

 

俺はこういうのでは涙しない方だ。

 

「この後どうするの?」

 

「公園でも行って日向ぼっこでもするか?」

 

「そうね」

 

 

 

 

 

 

公園に到着、暇だ・・・

 

「ねぇ、キョン。あたしね気づいたことあるんだ」

 

「ん?なんだ」

 

「あたしはあんたが好き。それ以上かもしれないけどそれ以下は決してないわ。あんたが本当に止めてくれたり、ベッドに忍び込んでも起こらなかった。そのときやっと気づいたわ、あんたのことが好きって」

 

「・・・」

 

「返事はまた後ででいいわ。それより晩御飯作るから帰りましょ」

 

「あ、あぁそうだな・・」

 

その後スーパーで買い物をして、家に帰宅ハルヒは晩御飯の準備で俺はテレビを見ていた。

 

チラリと見えたハルヒの顔はご機嫌そうで・・・でも悲しい目をしていた。

 

俺もハルヒのことが好きだ。俺を頼ってくれる。それだけで俺は十分うれしい。天涯孤独に生きてきたハルヒにとって頼るということは・・・

 

さて、家に帰ってやることもなく、ハルヒはテレビを見、俺は風呂にでも入ろうと立ち上がった

 

ふと疑問に思う。

 

さっきあいつは俺のことが好きだといった。

好きでもない男から告白されることは多々あれども自分でするのは少々勇気がいるのだろう。

 

うん、そう思っていこう・・・

 

 

 

 

「なぁハルヒ、ひとつ聞いてもいいか?」

 

「ん?なに?」

 

「いまうれしいか?悲しいか?」

 

「どっちでもないわね」

 

「そうか、でさっきの答えなんだが・・・」

 

「ダメ・・」

 

「ん?なんだ?」

 

「いっちゃダメだからね!」

 

「なんでだ、俺はハルヒが好・・」

 

「ちがう!あたしはあんたが大切だと思った。でも思っちゃダメなの。

昔たいせつなともだちが一人できた。すごく大切な友達だったわ。兄弟みたいに遊んでたもの。でもこのことずっと一緒にいたい、って思ったときその友達はあたしを残して死んだ。

交通事故だったわ。そして小学生に入ってまた一人。仲良しの子ができた。この子は大丈夫だろう・・そう思ってた矢先その友達はしんだわ。またも交通事故。そのあとずっと前はなした野球のことで世界が色あせて見えた。

 

おもしろい体験をしてる人も要れば、大切な友達を失うという極貴重な体験をしていた。他の人は体験するはずのないことをあたしはしていた。その日からあたしは・・・あたしは・・・!!

 

「ハルヒ・・・」

 

 

 

「呼ばないでよ!大切と思うとその人が死ぬ。いや!キョンを失いたくない!せめて、後ろから見るくらいならいいと思ってた!でも違う、あたしはキョンが愛しい。大切なの!」

 

「だからずっと傍にい・・」

 

「ウソよ!どうせあたしを残して死ぬ!死ぬんだわ!あたしは孤独、どんなに頑張っても孤独。孤独という鳥かごから抜け出せない小鳥なの!近づかないで!」

 

「なにを言ってるんだハルヒ!」

 

「いや!近づかないで!キョンが死ぬ・・・はは・・・死ぬんだ・・・死んでであたしの前から消えて・・またあたしは孤独な小鳥・・・一生孤独な檻から逃れることのできない小鳥!いやよ・・・・・そんなのいや!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「なっ」

 

 

 

 

ハルヒの目は死んでいる。輝きがないというか正気じゃないというか

 

「昔の友達もずっと一緒だよ?って言ってくれたでも違った。キョンだけは・・・神様、キョンだけは・・・」

 

ハルヒはこんな経験を・・・

気づいてやれない俺がばかばかしいぜ

 

親友が死ぬ?はは、俺なら自殺寸前だな

 

 

 

 

ギュっと抱きしめてハルヒの名前を呼ぶ

「・・・昔もう泣かないって決めたのに・・・泣いたらまた誰か死んで孤独になる・・・そんなのいや!」

 

「大丈夫だ、俺がこんなに近くにいるじゃねえか・・・

 

「ん・・・んぐっ・・・ひぐっ・・うぅぅ・」

 

ガクンと力が抜けて腕がしなだれるハルヒ・・気絶か・・・それとも眠ったのだろうか・・・

 

 

ピシッ・・と、氷に亀裂が入ったような音・・・多分閉鎖空間から抜け出せるはずだ

5秒ともしないうちにベッドの上で抱き合いながら寝ていた俺は、電話にでた

 

RRRRR・・・RRRRPi!

「もしもし」

『先ほど大量に出ていた閉鎖空間がすべて消滅しました。ご苦労様です。しかし最後の日本全土を覆うような閉鎖空間が出たときはどうしようかと思いましたよ。また世界はあなたに救われたようで』

「そのようだな、じゃあ俺はこれで」

『ええ、本当にお疲れ様です』

Pu! Tu-Tu-

さて・・・

 

 

 

黄金週間、もといゴールデンウィークも終了し普通に学校が始まった。

 

「おい、キョン。なんだその指輪・・・あと涼宮の態度だが」

 

谷口よ、それを聞くのは愚問ってやつだぜ?

 

「後ろ見てみな、俺の嫁だ。未来を誓い合ったんでな」

 

「何いってんのよ!もう夫婦でしょうが!ね、アナタ」

 

「キョン・・いつの間に抜け駆けを・・・・」

 

「あたしの旦那を悪く言うの?上等ね」

 

「ひぃ!ご勘弁!」

 

いつでも輝いている。二人の左手に輝く銀の指輪と、その持ち主の瞳が。本当に大切と思えばそれがなくなるなんてことは

ないのさ。

だろ?ハルヒ

 

「当たり前じゃない!あたし達は永久不滅よ!」

やれやれ・・・・


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